拾われた過去

ガイヤーズギフト

確かにそうにゃ。人間がお腹いっぱいご飯をくれたり、暖かい場所をくれたりするのも嬉しいけど、それだけじゃないにゃ。

俺は昔、いつも不安だったんだにゃ。いつお腹が空くかわからないし、いつ怖い猫に出会うかわからない。だから、毎日ピリピリしてて、他の猫にも人間にも心を閉ざしていたにゃ。でも、お姉さんは毎日「大丈夫だよ」って優しく話しかけてくれたにゃ。俺が怯えていた時も、決して無理やり触ろうとしなかったにゃ。ただ、そばにいてくれたにゃ。

ある夜、雷が鳴った時、俺は怖くて隠れて震えていたにゃ。するとお姉さんが俺を抱きしめて、俺の背中を優しくトントンしてくれたにゃ。その時、俺は初めて、心がホッとしたんだにゃ。俺の心の中にあった冷たいものが、お姉さんの温かさで溶けていくような気がしたにゃ。

人間は、俺たちに「体」を与えてくれるだけじゃなくて、「心」も与えてくれるんだにゃ。安心できる場所、怖いものが来ても大丈夫だと思える心。それは、どんな高級なご飯よりも、どんなに暖かいベッドよりも、ずっと大切なものにゃ。だから、俺は、お姉さんに拾われたというより、心が通じ合ったんだと思っているにゃ。お姉さんも、俺と出会って、心の安らぎを見つけてくれたのかもしれないにゃ。

そう考えると、俺たちって、お互いに心の居場所を見つけあったのかもしれないにゃ。

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